人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」は、令和8年度(2026年度)が最終年度となる期間限定の制度です。令和8年3月・4月に相次いで制度改正が行われ、対象訓練の拡充・分割支給・設備投資加算など、企業にとって活用しやすい内容へと大きくアップデートされました。本記事では変更点を網羅的に解説します。
1コースの概要と位置づけ
「事業展開等リスキリング支援コース」は、新規事業立ち上げ・DX・GX(脱炭素)など、企業の事業展開に伴い従業員に新たなスキルを習得させる研修費用を国が助成する制度です。OFF-JTによる訓練が対象で、中小企業は経費の最大75%、大企業は最大60%を受け取ることができます。
令和4年度にスタートし、令和8年度が最終年度の見込みです。今年度を逃すと制度そのものが終了する可能性が高く、検討中の企業は早めの準備が不可欠です。
期間限定制度の最終年度です。令和8年度(2026年度)が最後のチャンスとなる見込みのため、活用を検討している企業は今すぐ準備を始めることをお勧めします。
2令和8年度の主な変更点(4つのポイント)
令和8年3月2日と4月8日の二段階で制度改正が施行されました。順番に確認していきましょう。
今回の改正で最も注目すべき変更です。従来は「事業展開に伴う配置転換」が必要な訓練に限られていましたが、令和8年3月2日以降は企業内の人事・人材育成計画に基づく訓練も助成対象として追加されました。
新規事業立ち上げ・DX・GXなど「事業展開に伴う配置転換」に必要な訓練のみ
上記に加え、おおむね3年以内の人事配置計画に基づき「今後従事する予定の職務」に必要なスキルを習得する訓練も対象
これにより、明確な「事業展開」が伴わなくても、社内の人材育成計画と連動したeラーニング研修が助成対象となるケースが広がりました。活用できる企業の裾野が大きく拡大しています。
長期にわたる訓練を実施する場合のキャッシュフロー負担が大きく軽減されます。
訓練終了後にまとめて1回で申請する必要あり。長期訓練は経費立替負担が大きかった
訓練の途中段階でも分割して申請可能に。長期プログラムでも途中で助成金を受け取ることができる
2025年5月25日時点:「拡充された訓練・分割支給申請」の電子申請は準備中です。従来の事業展開に伴う訓練については引き続き電子申請が可能ですが、令和8年3月2日以降に新たに対象となった訓練(人事・人材育成計画に基づく訓練)および分割支給申請の計画届は、厚生労働省HPからダウンロードした申請書類を使用し、管轄労働局への紙申請が必要です。
訓練と設備導入をセットで進める中小企業を対象に、新たな加算制度が設けられました。
設備投資加算の概要
訓練で実際に使用した機器・設備と同種のものを事業所に新たに導入した場合、導入費用の50%が通常の助成額に上乗せして支給されます。
受給するには、事前に「設備投資実施計画」を作成・提出する必要があります。また、過去に設備投資加算を受けた事業所は、前回の支給決定日から3年経過後でなければ再申請できません。
eラーニングなど定額制(サブスクリプション型)サービスを利用した訓練の要件が変わりました。
受講者全員の合計受講時間が10時間以上であれば助成対象
受講者1人あたり10時間以上の修了が必要に。一人ひとりの受講管理が重要
この変更は要件が厳しくなる方向の改正です。Bizleのような定額制eラーニングサービスを利用する場合は、受講者ごとの修了時間をしっかり記録・管理してください。
3施行スケジュール一覧
変更点をまとめた早見表と、施行タイムラインです。
| 変更内容 | 区分 | 施行日 |
|---|---|---|
| 対象訓練に「人事・人材育成計画に基づく訓練」を追加 | 2026年3月2日 | |
| 長期訓練の途中段階での分割支給申請が可能に | 2026年3月2日 | |
| 中小企業向け「設備投資加算」の新設(導入費用の50%上乗せ) | 新設 | 2026年4月8日 |
| 定額制サービスの支給要件変更(全員合計→1人あたり10時間以上) | 変更 | 2026年4月8日 |
4申請前に押さえたい注意点
① 計画届は訓練開始の1〜6ヶ月前に提出
訓練実施前に「職業訓練実施計画届」を管轄労働局に提出し、確認を受けることが必須です。計画届の提出前に始めた訓練は、一切助成対象になりません。
② 訓練経費は企業が先に全額負担
助成金は後払いです。訓練経費や訓練期間中の賃金は、企業が一旦全額負担することが要件です。訓練機関から返金を受けるような場合は助成対象外となります。
③ OFF-JTでの実施が前提
本コースはOFF-JT(通常業務と切り離した訓練)が対象です。OJTとの混同に注意してください。また、訓練は所定労働時間内での実施が必要です。
1事業所あたりの助成上限額は1年度で1億円(賃金助成の上限は1人1訓練あたり1,200時間分)です。大規模な研修計画でも積極的に活用できます。
5eラーニングとの組み合わせ活用
今回の改正で「人事・人材育成計画に基づく訓練」が対象に加わったことで、法人向けeラーニングサービスとこの助成金を組み合わせる活用パターンが大きく広がりました。
たとえば、3年以内の昇格・異動計画と連動したeラーニングプログラムを設計し、計画届を事前に提出することで助成の対象になり得ます。
Bizleは「定額制サービス(サブスク型)」に該当します。変更点4でご説明したとおり、令和8年4月8日以降は受講者1人あたり10時間以上の修了が助成要件となりました。Bizleをご利用の際は、受講者ごとの修了時間の管理を徹底してください。
Bizleは受講履歴・修了証データの一元管理機能を備えており、助成金申請に必要な受講記録の証跡管理もスムーズに行えます。
助成金を活用したeラーニング導入を、
Bizleがまるごとサポートします
人材開発支援助成金の対象要件を満たしたカリキュラム設計から、受講履歴・修了証の記録管理まで。Bizleの法人向けeラーニングサービスで、研修コストを最小化しながら社員のスキルアップを実現しましょう。
Bizleの詳細を見る →本記事の情報は公開時点のものです。制度の詳細・最新情報は必ず厚生労働省の公式ページまたは管轄の労働局でご確認ください。







