建設・不動産業向け|DX・GXでリスキリング助成金を活用する方法
2024年の時間外労働規制強化(建設業の2024年問題)により業務効率化の必要性が急速に高まる一方、DXを推進できる人材が育っていない建設・不動産業の企業は少なくありません。あわせて、脱炭素化(GX)への対応も待ったなしの状況です。こうした人材育成には、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を活用でき、要件を満たせば中小企業で経費の75%が助成されます。ただし、令和8年8月3日の制度改正により、DX・GXに関する訓練でも「職務に直接関係しない概念理解・汎用的な内容」は対象外となった点に注意が必要です。本記事では、建設・不動産業が対象になりやすいケースと、ならないケースを具体的に解説します。
1建設・不動産業が抱えるDX・GXの課題
建設業のDXを取り巻く現状:
・2024年4月から時間外労働の上限規制が適用(建設業の2024年問題)
・就業者の高齢化・若手不足・熟練技術の継承困難が深刻化
・BIM/CIM導入が国土交通省主導で推進されているが現場での習得が追いつかない
・DXを進めようにも、人材開発支援助成金の対象になるのは「特定の職務に直結する実務訓練」に限られ、DXの概念やリテラシーにとどまる研修は対象外になりやすい点に注意が必要です
Web・SNS集客の内製化
ポータルサイト依存からSEO・SNS・Web広告による集客の自社運用への転換が急務です。
オンライン内覧・バーチャル体験の導入
VR・3Dウォークスルーを活用した非対面営業・オンライン内覧対応が顧客ニーズとして拡大しています。
契約・管理業務のデジタル化
電子契約・電子申請・クラウド管理による書類業務の効率化とペーパーレス化が求められています。
不動産業でもDX・GXの研修を助成金の対象にするには、営業担当者や経理担当者など、担当業務に直結する内容として設計することが前提になります。概念理解にとどまる研修は対象外になり得るため、研修を企画する段階から対象労働者と業務内容を結びつけておくことが重要です。
2リスキリング助成金が使えるケース一覧
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」は、建設・不動産業において特にタイプB(DX推進)とタイプC(人材育成計画)が活用しやすい構造になっています。ただし、令和8年8月3日の改正により、DX・GX化に関する訓練であっても「職業・職務に間接的に必要となる知識・技能」や「職業人として共通して必要となる内容」は助成対象外となりました。訓練内容が対象労働者の具体的な業務に直結しているかどうかを確認したうえで申請することが重要です。
例えば、生成AIを使って営業担当者が商品提案書の構成案・文章生成・修正方法を学ぶ訓練は対象になりますが、汎用的なプロンプトの作り方やDXの概念・デジタル技術の概要を学ぶだけの訓練は対象外です。対象労働者は、訓練内容に対応した担当業務に従事している人を選ぶ必要があります(人材開発支援助成金 改正リーフレットより)。
BIM(Building Information Modeling)・CIM(Construction Information Modeling)の習得、クラウド型施工管理システムの導入、ドローン測量・AI活用など、現場のDX化に伴う訓練が対象になります。事業展開計画は不要で、「DX化推進の背景」を計画書に記載するだけで申請できますが、対象労働者はBIM/CIMや施工管理システムを実際に使う業務に従事する人に限定し、DXの概念理解にとどまる内容は対象外になる点に注意してください。
対象訓練例:BIM/CIM基礎・実践、データ分析・IoT活用、クラウド施工管理、プロジェクトマネジメント、業務自動化(RPA・AI活用)
Web・SNS集客の内製化、オンライン内覧(VR・動画)対応、電子契約システムの社内展開など、不動産業のデジタル化推進に伴う訓練が対象です。この場合も、実際にWeb集客やSNS運用を担当する社員向けの実践的な訓練であることが前提で、汎用的なITリテラシー研修のような内容は対象外になり得ます。
対象訓練例:Webマーケティング・SEO、SNS集客、動画制作・活用、デジタルマーケティング全般、データ分析
不動産・建設業のHP制作・Web集客・MEO対策なら株式会社YsLinkへ
Bizleを運営する株式会社YsLinkは、不動産・建設業向けのホームページ・ECサイト制作、MEO対策・Web集客支援、RPA等の業務自動化、各種DXツール導入支援を提供しています。Bizleで学んだWebマーケティングスキルを実際の集客施策に落とし込む際もご相談ください。
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建設業者が新規にリフォーム・リノベーション事業・不動産管理業に参入する場合、または不動産業者が建物管理・リフォーム提案を新たに開始する場合は、「新たな分野への進出(事業展開)」として助成対象になります。
対象訓練例:インテリアコーディネート・リノベーション提案、顧客折衝・営業スキル、財務・事業計画策定、マネジメント
「3年以内に現場スタッフを現場監督に登用する」「営業担当をDX推進リーダーとして育成する」など、人材育成計画を文書化することで今から先行研修を始めても助成対象になります(令和8年3月2日追加の新類型)。
対象訓練例:プロジェクト管理・工程管理、財務・原価管理、リーダーシップ・部下育成、法務・契約基礎、業務効率化
3GX(グリーン・脱炭素化)でも使える
本コースは「DX化」だけでなく、GX(グリーン・カーボンニュートラル化)に伴う人材育成も対象です。建設・不動産業は脱炭素社会への対応が特に求められる業種であり、以下のケースが該当します。ただし、令和8年8月3日以降に提出する計画届からは、DX化・GX化に関する訓練であっても、職業・職務に間接的に必要な知識・技能の習得にとどまるものや、職業人として共通して必要となる内容にとどまるものは助成対象外となっている点にご注意ください。
GX推進で助成対象になる訓練例:
・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)・ZEH設計に関する知識習得
・省エネ・再生可能エネルギー提案のための訓練
・カーボンニュートラル・脱炭素経営の実践スキル
・環境配慮型建材・工法に関する専門知識習得
GX推進の訓練も、「なぜGX化が必要か」という自社の具体的な背景・計画を計画書に記載する必要があります。「なんとなく脱炭素に取り組む」では不十分で、自社事業との関連性を明確にすることが必要です。また、令和8年8月3日からの改正では、脱炭素の基本理念や国際情勢、GX化を進める上で企業に求められる対応を学ぶといった概念理解にとどまる訓練は助成対象外とされ、自社のエネルギー使用量データの収集方法やCO₂排出量算定ルールに基づく計算手順など、担当業務に直結する具体的な実務内容であることが求められます。対象労働者も、CO₂排出量算定業務を担当する者など、訓練内容と担当業務が対応している必要があります。
この改正には経過措置が設けられています。該当するかどうかは、支給要領・パンフレットで個別にご確認いただくか、社会保険労務士にご相談ください。
4助成金が使えないケース・注意点
建設・不動産業で対象外になりやすいケース:
❌ 建設技能(左官・溶接・大工技術等)の向上のみを目的とする訓練(DX・事業展開との関連が説明できない場合)
❌ 法律で義務付けられた安全衛生教育・建設業法上の必須講習
❌ 特定ソフトウェア(CAD・積算ソフト等)の操作方法のみの訓練
❌ 訓練時間が1人あたり10時間未満(定額制の場合)
❌ OJT(通常の現場作業と区別できない訓練)のみで実施するもの
❌ DXの概念やデジタル技術の概要、データ活用の考え方など、共通知識の習得にとどまる訓練
❌ 汎用的なプロンプトの作り方など、特定の業務への適用を伴わない訓練
令和8年8月3日以降に提出する計画届からは、DX・GXに関する訓練であっても、「職業・職務に間接的に必要な知識・技能」や「職業人として共通して必要なもの」は助成対象外となりました。例えば、生成AIを使った汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は対象外ですが、営業担当者が商品提案書の作成・修正に生成AIを活用する方法を学ぶ訓練のように、特定の職務に直結する内容であれば対象になります。訓練内容と対象労働者の担当業務が一致しているかを必ず確認してください。
受講回数にも上限があります。助成が受けられる訓練は同一の労働者につき一の年度(支給申請日を基準に4月1日〜翌年3月31日)で3回までです。このうち、令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく単発のeラーニング訓練は、同一の労働者につき一の年度で1回までに制限されます。ただし、Bizleのような定額制サービスによる訓練には、このeラーニングの1回制限は適用されず、要件を満たせば従来どおり年3回まで申請できます。個別の可否は、支給要領・パンフレットのご確認、または社会保険労務士へのご相談をおすすめします。
5助成金活用シミュレーション
建設・不動産業の中小企業の定義(資本金3億円以下または従業員300人以下)を満たす場合、Bizleのような定額制サービスを利用した研修の経費助成率は75%です。助成額の上限は受講者1人あたり月額2万円であり、賃金助成はありません(事業展開等リスキリング支援コースのご案内〈詳細版〉参照)。
| 社員数 | 年間受講料(Bizle) | 助成金(上限ベース) | 実質負担 |
|---|---|---|---|
| 5名 | 162万円 | 120万円 | 約42万円 |
| 10名 | 324万円 | 240万円 | 約84万円 |
| 30名 | 972万円 | 720万円 | 約252万円 |
※ Bizle月額27,000円〈税別〉・1年契約。定額制サービスの経費助成額は「訓練経費 ×(支給対象労働者数 ÷ 契約者数)×(訓練実施期間の日数 ÷ 契約期間の日数)× 助成率」で計算され、1人1月あたり2万円が上限です(賃金助成を除く)。試算は目安であり、実際の助成額は契約内容・申請内容により異なります。
事業展開等リスキリング支援コースは令和4年度〜令和8年度の期間限定の時限措置であり、令和8年度末(2027年3月末)までの制度です。定額制サービスでは、修了した訓練の標準学習時間が支給申請時点で合計10時間以上であることが要件です。制度終了後の扱いは未定のため、申請を検討する場合は早めに労働局・社会保険労務士へ相談することをおすすめします。
令和8年8月3日以降に提出する計画届からは、受講回数にも上限があります。助成対象となる訓練の受講は同一の労働者・同一年度(4月1日〜翌年3月31日)で3回まで、そのうち単発のeラーニング訓練は1回までです。ただし、Bizleのような定額制サービスによる訓練には、このeラーニングの回数制限は当てはまらず、要件を満たせば従来どおり年3回まで申請できます(2026年10月、社会保険労務士に確認済み)。個別の可否は、支給要領・パンフレットの確認、または社会保険労務士への相談をおすすめします。
6Bizleで学べる建設・不動産向けコース一覧
| 活用ケース | Bizleのカテゴリー・講座例 |
|---|---|
| 施工管理DX・業務効率化 | 施策推進・DX、生成AIの実務活用(Excel・GAS・Dify等)、業務効率化ツール |
| 不動産Web集客・SNS内製化 | 集客・広告、マーケティング、SNS運用、Webライティング |
| 新規事業・リノベ提案 | EC・マーケティング、コンテンツ制作、ブランディング |
| 現場監督・管理職育成 | チームワーク・タイムマネジメント、プロジェクトマネジメント、ファイナンス基礎 |
| 全社員の基礎DXリテラシー | 生成AIの基礎・G検定対策、ChatGPT・Gemini・Copilot活用、Slack・Teams等のコミュニケーションツール |
建設・不動産業のDX・GX推進を、助成金を活用してスタートしましょう
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本記事の情報は公開時点のものです。各ケースが助成対象になるかは個別の訓練内容・計画内容によって異なります。最新の情報は必ず厚生労働省の公式ページまたは管轄の労働局・社労士にご確認ください。
本記事の情報は公開時点(2026年6月)のものです。











