事業展開等リスキリング支援コースの要件解説|定額eラーニングは対象?
「事業展開等リスキリング支援コースはeラーニングでも使えるの?」という疑問をよく耳にします。答えは「使えます。ただし、重要な注意点があります」。特に、定額制サービス(サブスク型)と通常のeラーニングでは助成の条件・上限額・賃金助成の有無が異なります。さらに令和8年8月3日の制度改正により、通常のeラーニングは同一労働者・同一年度で1回までに制限される一方、定額制サービスはこの制限の対象外という違いも生まれました。本記事ではファクトに基づき、eラーニングを使った場合の要件を正確に解説します。
1eラーニングは助成対象になる?
結論から言うと、eラーニングは助成対象になります。対面研修やオンライン研修(Zoom等)と同様に、事業展開等リスキリング支援コースの対象訓練として認められています。ただし、令和8年8月3日の改正により、対象となる訓練の判断がより厳しくなっています。本コースのDX化・GX化に関する訓練について、職業・職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のものや、職業人として共通して必要となる内容のものは助成対象外となります。たとえば生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は、特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため助成対象外とされており、「DX系のeラーニングなら何でも対象」というわけではない点に注意が必要です。
受講回数にも上限があります。本コースで助成が受けられる訓練の受講回数は、同一の労働者に対して一の年度で3回までで、このうちeラーニングによる訓練の場合は、同一の労働者に対して一の年度で1回までとなります。ここでの「一の年度」は支給申請日を基準とし、4月1日から翌年3月31日までを指します。なお、この1回制限は令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づくeラーニングによる訓練(他の方法との組み合わせを含む)が対象で、同じeラーニングでも後述する「定額制サービス」による訓練は、この1回制限とは別の扱いになります。
ただし、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は「経費助成のみ」が対象です。対面・オンライン研修と異なり、賃金助成は受けられません。この点は非常に重要なので、申請前に必ず確認してください。
eラーニング・通信制・定額制サービスは「賃金助成の対象外」です。経費助成のみ申請できます。集合研修やオンライン研修(講師あり)は経費助成+賃金助成の両方が対象になる点と大きく異なります。
2eラーニングの種類と助成内容の違い
eラーニングには大きく2種類あり、それぞれ助成の上限額・要件が異なります。
| 定額制サービス(サブスク型) | 通常eラーニング(コース単位購入) | |
|---|---|---|
| 課金方式 | 月額・年額の定額制 | コース・講座ごとに購入 |
| 経費助成 | 対象(上限あり) | 対象(上限あり) |
| 賃金助成 | 対象外 | 対象外 |
| 経費助成上限 | 1人1月あたり20,000円 | 中小:15万円/1人1訓練 大企業:10万円/1人1訓練 (令和8年4月改正) |
| 修了要件 | 修了した訓練の標準学習時間が、支給申請時点で合計10時間以上 | 標準学習時間10時間以上、または標準学習期間1か月以上 |
| 年度あたりの受講回数 | 1労働者につき1年度で3回まで(人への投資促進コースの定額制訓練等と合算) | 令和8年8月3日以降に提出した計画届に基づく訓練は、1労働者につき1年度で1回まで |
| 代表例 | Bizle、Udemy Business 等 | 単発購入の動画講座等 |
定額制サービスとコース単位購入のeラーニングでは、1年度あたりの受講回数の上限が異なります。定額制サービスによる訓練は、1労働者につき1年度で3回まで申請できますが、コース単位で購入する通常のeラーニングは、令和8年8月3日以降に提出した計画届に基づく訓練であれば、1労働者につき1年度で1回までに制限されます。年度は支給申請日を基準に4月1日から翌年3月31日までで区切られます。
3定額制サービス(サブスク型)の要件詳細
受講者1人あたり標準学習時間が合計10時間以上であることが必要です。定額制サービスの修了要件は、実際の視聴時間ではなく「修了した訓練の標準学習時間が支給申請時に合計10時間以上」である労働者だけが対象になります。期間の途中で10時間要件を満たした人は、その翌日から支給申請が可能です。
経費助成の上限は1人1月あたり20,000円です。経費助成の限度額(1人1訓練あたり)は、定額制サービスでは1人1月あたり2万円(1か月未満の期間は日割り)とされており、助成率は中小企業75%・大企業60%です。月額料金がこれより高い契約であっても、助成額はこの上限が基準になります。
訓練計画届の事前提出が必要です。定額制サービスの場合は、一般的な訓練開始6ヶ月前〜1ヶ月前という期間とは異なり、定額制は契約期間の初日の1か月前までに、職業訓練実施計画届と必要書類を管轄の労働局へ提出する必要があります。すでに契約が始まっている場合(契約初日が令和4年12月2日以降)は、計画届提出日の1か月後を契約初日とみなし、そこから最終日までの日割り分が対象になります。
業務命令として労働時間内に受講させることが必要です。業務命令として労働時間に受講させることが必要で、労働者が自発的に受講した時間は10時間要件に数えません。出勤簿・賃金台帳・PCのログ等の提出を求められることがあるため、受講の指示・記録を残しておく必要があります。
定額制サービスは他の実施方法と組み合わせられません。定額制サービスは通学制など他の方法と組み合わせられず、定額制だけで実施する必要があります。また、計画届に受講予定者として届けていない人は、受講はできても支給対象にならない点にも注意してください(期限までの変更届の提出で対象にできます)。
「全員合計」ではなく「1人あたり」10時間以上が基準です。対象になるのは修了した訓練の標準学習時間が支給申請時に合計10時間以上の労働者のみであり、複数人の受講時間を合算して10時間を満たしても対象にはなりません。受講者ごとに標準学習時間を個別に管理・確認する必要があります。
定額制サービスで助成が受けられる受講回数は、人への投資促進コースの定額制訓練などと合わせて、1労働者につき1年度で3回までです。eラーニング単体(コース単位の訓練)に適用される「1年度1回まで」という制限は、定額制サービスには当てはまりません。この点は次の見出しで詳しく解説します。
4通常eラーニング(コース単位)の要件詳細
コースごとに購入する通常のeラーニングの場合、要件と上限が異なります。
| 助成対象外になるケース | 助成対象になるケース |
|---|---|
| ・標準学習時間が10時間未満のコース ・受講を修了していない(修了証が発行されない) ・業務の操作方法のみを学ぶ訓練(例:特定ソフトの使い方だけ) ・コンサルティング・助言のみの内容 ・汎用的な内容にとどまる訓練(例:汎用的なプロンプトの作り方を学ぶだけの生成AI研修) | ・標準学習時間が10時間以上のコース ・受講を修了し修了証が発行されるもの ・事業展開に関連したスキル習得が目的 ・OFF-JTとして実施できる内容 ・対象労働者の具体的な業務にそのまま活用できる内容(例:営業担当者向けの商品提案書作成に生成AIを使う訓練) |
令和8年8月3日の改正により、DX化・GX化に関する訓練についても、職業、または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のものや、職業、または職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるものは助成対象外となりました。例えば、生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は、特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため助成対象外です。一方、生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練は、営業担当者の具体的な業務に直結しており、そのまま活用可能な内容であるため助成対象となります。コースを選ぶ際は、受講者の担当業務に直結する内容かどうかを必ず確認しましょう。
通常eラーニングの経費助成上限は1人1訓練あたり中小企業15万円・大企業10万円(令和8年4月8日改正)。改正前は中小企業30万円でしたが引き下げられています。複数コースを受講する場合は、コースごとに上限が適用されます。
令和8年8月3日以降に提出された計画届からは、受講回数にも制限が加わりました。本コースで助成が受けられる訓練の受講回数は、同一の労働者に対して一の年度で3回まで。このうちeラーニングによる訓練の場合は、同一の労働者に対して一の年度で1回までとなります。「一の年度」は支給申請日を基準とし、4月1日から翌年3月31日までを指し、eラーニングによる訓練には複数の実施方法を組み合わせて訓練を実施する場合も含む点に注意してください。年度内に複数の通常eラーニングコースを申請する計画を立てている場合は、この1回制限に当てはまらないか必ず確認しましょう。
5集合研修・オンライン研修との比較
eラーニング以外の訓練形式と比較すると、違いが明確になります。
| 訓練形式 | 経費助成 | 賃金助成 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 集合研修(対面) | 最大75% | 中小1,000円/時 大企業500円/時 |
最も手厚い助成。実訓練時間に応じて両方受給可 |
| オンライン研修(講師あり) | 最大75% | 中小1,000円/時 大企業500円/時 |
Zoom等のリアルタイム研修。集合研修と同様に両方受給可 |
| 通常eラーニング | 最大75% (上限15万円/人) |
対象外 | 経費助成のみ。時間・場所を選ばず受講可能 |
| 定額制サービス(サブスク) | 最大75% (上限2万円/人/月) |
対象外 | 経費助成のみ。大人数への展開コストが低い |
賃金助成を最大化したい場合は集合研修・オンライン研修との組み合わせが有効です。たとえば、基礎知識をeラーニングで習得し、応用・実践を集合研修で行う「ブレンデッドラーニング」形式にすると、経費助成+賃金助成の両方を活用できます。
訓練形式を選ぶ際は、助成率だけでなく受講回数の上限にも注意が必要です。本コースで助成が受けられる訓練の受講回数は、同一の労働者に対して一の年度で3回まで、このうちeラーニングによる訓練の場合は、同一の労働者に対して一の年度で1回までとなります(令和8年8月3日以降に提出された計画届が対象)。一方で、定額制サービスによる訓練(Bizleなど)にはこの1回制限は当てはまらず、要件を満たせば従来どおり年3回まで申請できます。集合研修・オンライン研修(講師あり)は、通常eラーニングとは別枠の訓練形式として扱われるため、組み合わせ方によって年間の申請可能回数が変わってくる点も押さえておきましょう。
単発のeラーニング講座と、Bizleのような定額制サービスとでは、年間の受講回数の扱いが異なります。「eラーニングなら何回でも申請できる」と誤解しないよう、申請前に訓練形式ごとの上限を確認してください。
6申請時に必要な書類と証跡管理
定額制サービスの場合に必要な書類
計画届時:職業訓練実施計画届、定額制サービスによる訓練に関する対象者一覧
支給申請時:定額制サービスによる訓練実施結果報告書、受講時間が10時間以上の者の一覧表(教育訓練機関発行)、賃金台帳・出勤簿
管理のポイント:受講者1人あたりの修了時間を個別に記録・管理することが必須です。LMS(学習管理システム)が自動で受講ログを記録してくれるサービスを選ぶと、証跡管理の手間を大幅に削減できます。
定額制サービスでは、業務命令として労働時間内に受講させていることの証明が特に重要です。制度のご案内(詳細版)には、業務命令として労働時間に受講させることが必要で、労働者が自発的に受講した時間は10時間要件に数えないとされており、出勤簿・賃金台帳・PCのログ等の提出を求められることがあると説明されています。あわせて、計画届に受講予定者として届けていない人は、受講はできても支給対象にならない点にも注意してください(期限までに変更届を出せば対象にできます)。
令和8年8月3日以降に提出する計画届からは、同一の労働者に対して一の年度で3回まで、このうちeラーニングによる訓練の場合は一の年度で1回までという受講回数の上限が設けられています。ただし、Bizleのような定額制サービスによる訓練には、この「eラーニング年1回まで」の制限は当てはまりません。資料によれば、定額制サービスによる訓練は、人への投資促進コースの定額制訓練・自発的職業能力開発訓練と合わせて、1労働者につき1年度で3回まで申請できるとされています。単発のeラーニング講座と定額制サービスでは回数制限の扱いが異なるため、支給申請書類を準備する際は区別して記録しておきましょう。
7Bizleはどのeラーニングタイプにあたるか
Bizleは定額制サービス(サブスク型)のAI法人向けeラーニングに該当します。生成AI・マーケティング・EC・DX・業務効率化・実店舗運営など、ビジネスに直結する講座を受け放題で提供しています(講座数は随時更新されるため、最新の講座数は公式サイトでご確認ください)。
| Bizleのプラン(税別・1年契約) | 助成後の実質負担(定額制上限適用) |
|---|---|
| 27,000円/名/月 (年間:324,000円/名) | 助成上限20,000円/名/月 × 12ヶ月 =240,000円/名が戻る 実質負担:約84,000円/名 |
令和8年8月3日の改正により、DX化・GX化に関する訓練であっても、職業・職務に間接的に必要となる知識・技能や、職業人として共通して必要となる内容にとどまるものは助成対象外になりました。Bizleの講座を申請に活用する際は、「どの講座でも対象になる」と考えず、受講者の担当業務に具体的に直結する講座を選ぶことが前提になります。
Bizleで学べる主なカテゴリー(事業展開等リスキリング支援コース対象になりやすい分野)
| カテゴリー | 主な講座内容 | リスキリングとの関連 |
|---|---|---|
| 生成AI | ChatGPT活用、AIを使った意思決定、生成AIのリスク・法律・倫理 | DX・AI化推進に直結 |
| マーケティング | Webマーケティング、SNS広告、MEO、リスティング広告、ECモール | デジタル集客・新規事業展開 |
| EC | ECモール概要、EC広告実践、サイト運営、集客戦略 | EC事業展開・オンライン販売開始 |
| 業務効率化・DX | RPA・業務自動化、Excel・スプレッドシート活用、Google Apps Script | DX化・業務改革 |
| 実店舗運営 | MEO・集客、接客・クロージング、SNSマーケティング、スタッフマネジメント | 多店舗展開・新業態立ち上げ |
| マネジメント | 組織マネジメント、リーダーシップ、部下育成、ビジネス基礎力 | 人材育成計画に基づく管理職訓練 |
BizleはLMS(学習管理システム)を内蔵しており、受講者ごとの受講履歴・修了時間・修了証を自動管理できます。定額制サービスの助成申請に必要な「受講時間が10時間以上の者の一覧表」の作成もスムーズに行えます。
助成金を活用した人材育成を、Bizleがまるごとサポートします
生成AI・マーケティング・EC・DX・実店舗運営など、事業展開に直結するカリキュラムを受け放題で提供。定額制サービスの助成要件を満たした受講管理も標準搭載しています。
本記事の情報は公開時点のものです。制度の詳細・最新情報は必ず厚生労働省の公式ページまたは管轄の労働局でご確認ください。
本記事の情報は公開時点(2026年5月)のものです。











