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小売業・EC事業者向け|リスキリング助成金が使えるケースと研修事例

公開日:編集日:監修:Bizle読了目安:約12分
小売業・EC事業者向け|リスキリング助成金が使えるケースと研修事例

「実店舗の客足が減り、ECに力を入れたいがノウハウがない」「楽天やAmazonに出店しているがSNSや広告運用を内製化できていない」「在庫管理・受注処理をもっと効率化したい」——小売業・EC事業者が抱えるこうした課題の解決に向けた人材育成に、最大75%が助成されるリスキリング助成金(人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース)を活用できます。このコースは令和8年度末までの時限措置で、令和8年8月3日には対象となる訓練の範囲や受講回数の上限などが改正されています。本記事では、小売業・EC事業者が助成金を使える具体的なケースと研修事例、注意すべき最新の改正ポイントをあわせて解説します。

1小売業・EC事業者が今、リスキリングに取り組むべき理由

小売業を取り巻く環境は急速に変化しています。実店舗とECサイトを連携させたオムニチャネル化・OMO(Online Merges with Offline)への対応が中小小売でも求められ始め、「デジタルを使いこなせる人材」の有無が競争力の差になってきています。

こうしたデジタル対応力の底上げには、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)が活用できる場合があります。小売業の例として、営業部門でITツールを活用したWeb集客のノウハウを習得させる講座が、DX化に関する訓練の対象例として紹介されています。ただし令和8年8月3日以降に提出する計画届からは、DX・GX化に関する訓練であっても、特定の職務に直接結びつかない汎用的な内容や、職業人として共通して必要とされる内容にとどまるものは助成対象外となる点に注意が必要です。

⚠️

助成金を活用する場合は「DXの概念や考え方を学ぶだけの訓練」ではなく「担当業務にそのまま使える内容の訓練」であることが前提になります。この点は次の見出し以降で具体例とあわせて解説します。

📊
【小売業が直面する変化】実店舗×ECの一体化が中小小売の新標準に
①

EC転換・自社ECサイト構築
モールへの出店から自社ECサイトへの移行、または両立運営が増えています。EC運営に必要なデジタルスキルを自社で持てるかどうかが収益性に直結します。

②

SNS・コンテンツマーケティング
Instagram・TikTok・YouTubeを活用した商品訴求が集客の主戦場になりつつあります。外注に頼らず自社で運用できる担当者の育成が急務です。

③

在庫管理・受発注の自動化(DX)
POSデータ・在庫データの活用、受発注業務の自動化(RPA・AI活用)で人手不足と業務負担を同時に解決できます。

④

データ分析による商品・価格戦略
売上データ・顧客データを分析し、売れ筋商品の絞り込み・価格最適化・季節対応を科学的に行う力が求められています。

2助成金が使えるケース一覧

人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」では、①新規事業展開、②DX・デジタル化推進、③人材育成計画に基づく訓練の3類型が対象です。小売業・EC事業者では以下のケースが該当します。

❗

令和8年8月3日の改正により、DX・GX化に関する訓練のうち「職業・職務に間接的に必要な知識・技能」や「職業人として共通して必要な内容」にとどまるものは助成対象外になりました。職業、または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のもの、職業、または職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるものは助成対象外となります。DX・SNS集客系の訓練を申請する際は、担当業務に直結する内容か、対象労働者が実際にその業務を担うかを事前に確認してください。

🛒
【ケース① タイプA(事業展開)】実店舗からEC販売・自社ECサイトへの新規参入

これまで実店舗のみだった小売業者が、ECモール(楽天・Amazon等)または自社ECサイトで販売を開始する場合。実店舗(小売業)からEC事業(通信販売業)への進出は、日本標準産業分類の変化を伴う「事業展開」として助成対象になります。

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対象訓練例:ECモール運営(楽天・Amazon)、自社ECサイト構築・運営、商品ページ制作、在庫管理、物流・配送管理、EC向けカスタマーサポート

📱
【ケース② タイプB(DX推進)】SNS・Web広告による集客のデジタル化

チラシ・折込広告からSNS・Web広告へ集客手段を転換するデジタル化推進として申請できます。事業展開計画は不要ですが、「なぜデジタル化が必要か」の具体的な背景を計画書に記載する必要があります。

⚠️

令和8年8月3日以降の計画届からは、訓練内容が特定の職務に直結しているかが重視されます。例えば生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練は、営業担当者の具体的な業務に直結しており、そのまま活用可能な内容であるため助成対象になりますが、生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は、特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため助成対象外です。SNS運用やWeb広告の訓練も、実際に運用を担当するスタッフ向けに、自社の商材・顧客層に即した実践的な内容として計画することがポイントです。

📚

対象訓練例:Instagram・TikTok運用、SNS広告(Meta広告・LINE広告)、リスティング広告、SEO・コンテンツマーケティング、MEO対策

⚙️
【ケース③ タイプB(DX推進)】在庫管理・受発注・バックオフィスの自動化

POSシステム・在庫管理システムの導入、RPA(業務自動化)による受発注処理・請求書対応の効率化に伴う訓練が対象になります。

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ここでも「対象労働者の選定」が重要です。自社のエネルギー使用量データの収集方法やCO2排出量算定ルールに基づく計算手順を学ぶ訓練であれば、CO2排出量算定業務を担当する者は助成対象、人事や営業に従事する者は訓練内容と担当業務が対応していないため助成対象外という考え方と同様に、RPA・自動化の訓練も、実際に受発注・在庫管理の業務を担うスタッフを対象に計画することが必要です。DXの概念や考え方を学ぶだけの内容も対象外になるため、注意してください。

📚

対象訓練例:RPA基礎・業務自動化、Excelデータ分析・マクロ、GAS(Google Apps Script)、生成AI活用・業務効率化

🔗

RPA導入・構築支援は株式会社YsLinkへ
業務自動化のスキルを学んだ後、実際のRPA導入・システム構築はBizle運営元の株式会社YsLinkにご相談ください。小売業の受発注・在庫管理など業務自動化を得意としています。
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📈
【ケース④ タイプA(事業展開)】オムニチャネル化・OMO(実店舗×EC一体化)への転換

実店舗とECを統合し、「オンラインで購入して店舗で受け取り」「店舗在庫をECで販売」など新しい顧客体験を提供するビジネスモデルへの転換は、提供方法の変更として事業展開に該当します。

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対象訓練例:デジタルマーケティング戦略、CRM・顧客データ活用、データ分析(GA4・ECデータ)、EC広告実践

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【ケース⑤ タイプC(人材育成計画)】EC担当者・店長候補の先行育成

「3年以内にEC担当者を専任で配置する」「2号店を出して現スタッフを店長に登用する」など、人材育成計画を文書化することで、今から先行して研修を実施しても助成対象になります(令和8年3月2日追加の新類型)。

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対象訓練例:EC運営全般、Webマーケティング、店舗マネジメント、財務・原価管理、スタッフ育成

3助成金が使えないケース・注意点

⚠️

小売業・ECで対象外になりやすいケース:
❌ 商品知識・接客マナーのみを目的とする社内研修(事業展開・DXとの関連が説明できない場合)
❌ 特定のPOS・レジシステムの操作方法のみの訓練
❌ 訓練時間が1人あたり10時間未満(定額制サービスの場合)
❌ 業務命令ではなく自発的に受講したもの
❌ 計画届を訓練開始後に提出したもの

さらに、令和8年8月3日の改正により、DX化・GX化に関する訓練についても対象外の範囲が広がりました。本コースのDX化・GX化に関する訓練について、職業・職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のものや、職業・職務の種類を問わず職業人として共通して必要となるものは助成対象外となります。たとえば、生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は、特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため助成対象外とされており、逆に生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練は、営業担当者の具体的な業務に直結しており、そのまま活用可能な内容であるため助成対象となります。小売業・EC事業者がBizleなどの講座を助成金の対象として申請する際は、「特定の職務に直結する訓練として、担当業務に合わせて対象労働者を選ぶ」という考え方が欠かせません。

⚠️

受講回数にも上限があります。本コースで助成が受けられる訓練の受講回数は、同一の労働者に対して一の年度で3回まで、このうちeラーニングによる訓練の場合は、同一の労働者に対して一の年度で1回までとなります(令和8年8月3日以降に提出された計画届が対象)。ただし、定額制サービスによる訓練には、eラーニングの「1年度1回まで」の制限は当てはまらず、要件を満たせば従来どおり1労働者につき1年度3回まで申請できます。単発のeラーニング講座と、Bizleのような定額制サービスとでは扱いが異なる点に注意してください。

4助成金活用シミュレーション

社員数年間受講料(Bizle)助成金(上限ベース)実質負担
5名162万円120万円約42万円
10名324万円240万円約84万円
20名648万円480万円約168万円

※ Bizle月額27,000円〈税別〉・1年契約で試算。定額制サービスによる訓練の経費助成は、中小企業の場合75%ですが、上限額は1人1月あたり2万円です(賃金助成は対象外)。

💡

定額制サービスの経費助成額は、訓練経費×(支給対象労働者数÷契約者数)×(訓練の実施期間の日数÷契約期間の日数)×助成率で計算され、1人1月あたり2万円が上限となります(1か月未満の期間は日割り計算)。実際の受給額は、契約内容・受講状況によって変わるため、上表はあくまで目安としてご覧ください。

⏰

事業展開等リスキリング支援コースは令和4年度から令和8年度までの期間限定の助成金です。資料によれば、令和8年度末までの時限措置とされていますので、活用を検討している場合は早めに計画を立て、職業訓練実施計画届の提出スケジュールから逆算して準備を進めることが重要です。終了後の扱いについては、最新の公式情報をご確認ください。

⚠️

定額制サービスによる訓練では、修了した訓練の標準学習時間が支給申請時に合計10時間以上であることが要件です。また、業務命令として労働時間内に受講させる必要があり、労働者が自発的に受講した時間は要件の時間に数えられません。計画届は契約期間の初日の1か月前までに提出する必要があるため、スケジュールには余裕を持たせてください。

5Bizleで学べる小売・EC向けコース一覧

活用ケースBizleのカテゴリー・講座例
EC転換・EC運営の内製化 EC【基礎〜応用】【広告実践】、ECモール運営、自社EC戦略
SNS・Web集客のデジタル化 集客・広告、マーケティング、SNS運用、コンテンツ制作
在庫管理・受発注の自動化 業務効率化・DX、RPA基礎、Excel・GAS実践、生成AI活用
データ分析・商品戦略 データ分析基礎、GA4実践、マーケティング中級
店長・EC担当者の先行育成 実店舗運営、マネジメント、経営・財務、一般新人研修
💡

Bizleは人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の「定額制サービスによる訓練」に該当すると考えられます。要件を満たせば、経費助成率は中小企業75%・大企業60%、助成の限度額は1人1月あたり2万円です。また、令和8年8月3日の改正で単発のeラーニング訓練は1人1年度1回までに制限されましたが、定額制サービスによる訓練にはこの回数制限は当てはまらず、要件を満たせば1人1年度3回まで申請できます(人への投資促進コースの定額制訓練等との合算)。小売業・EC事業者がSNS集客やデータ分析など複数テーマを並行して学ばせたい場合も、年度内で柔軟に組み立てやすい制度です。

💡

ITツールの導入費用については、別の制度である「デジタル化・AI導入補助金(旧称:IT導入補助金)」が対象になる場合があります。こちらは研修費ではなくITツール導入費を補助する経済産業省・中小企業庁の制度で、Bizleは事務局のITツール検索に登録されたITツールです。EC運営システムや在庫管理ツールの導入を検討している場合は、人材開発支援助成金(研修費)とあわせて個別に確認するとよいでしょう。

小売業・ECのデジタル化に必要なスキルを、助成金を活用して習得しましょう

EC運営・SNS集客・業務自動化・データ分析まで、定額制の法人向けeラーニングで幅広く学べます。助成金の活用方法については、紹介先の社労士法人への相談も可能です。

⚠️

本記事の情報は公開時点のものです。人材開発支援助成金は令和8年度末までの時限措置であり、令和8年8月3日には受講回数の上限や対象外訓練の範囲などが改正されています。各ケースが助成対象になるかは個別の訓練内容・対象労働者の職務との関連性によって異なりますので、最新の情報は必ず厚生労働省の公式ページまたは管轄の労働局・社労士にご確認ください。

本記事の情報は公開時点(2026年6月)のものです。

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