この記事は2026年8月6日に更新されました。
【2026年8月3日 制度改正】本記事は「令和8年8月3日改正|リスキリング助成金の変更点と今すぐやるべき対応」および「職務直結型」判断基準と経過措置の続編として、「職務直結型」の判断基準をさらに具体的に、業種別ケーススタディを交えて掘り下げます。
令和8年8月3日の改正で、DX・GX訓練は「職務に直結する内容」のみが対象になりました。しかし「職務に間接的」「職業人として共通」という表現だけでは、自社の研修計画がどちらに該当するのか判断に迷う方も多いはずです。本記事では、この2つの考え方をできるだけ具体的に整理し、計画書の書き方の変化と、業種別のケーススタディをまとめました。
1おさらい:令和8年8月3日改正で何が変わったか
| 改正前 | 改正後(2026年8月3日〜) | |
|---|---|---|
| DX・GX訓練の対象判断 | 「DX・GX化が必要な背景」を計画書に記載すれば対象になりやすかった | 受講者本人の職務に直結しているかがより厳しく問われる |
| 対象外の考え方 | 訓練内容と事業展開・DX計画の関連性が説明できないもの | 上記に加え、「職務に間接的」「職業人として共通」な内容も対象外に |
ポイントは、これまで対象になっていた「DX化のために必要そうな研修」の中にも、受講者個人の職務との結びつきが弱いものは対象外になり得るという点です。次章から、この線引きの考え方を具体的に見ていきます。
2「職務に間接的」とは何か?具体例で理解する
「職務に間接的」とは、訓練内容が受講者の担当業務そのものではなく、その周辺・背景にとどまる状態を指すと考えられます。
・経理担当者が、自部門で使う予定のない生成AIツール全般の概論を学ぶ
・店舗スタッフが、本社のDX戦略について座学で学ぶだけの研修
・「AI・DXの世の中の動向」を知るための一般的な情報収集型セミナー
・経理担当者が、自社の経費精算・請求書処理業務で使う生成AIツールの操作を学ぶ
・店舗スタッフが、自店で導入予定のPOSレジ・予約システムの操作・データ活用を学ぶ
・自社の受発注業務における生成AI活用を、実際の業務フローに沿って学ぶ
判断のヒント:「その訓練を受けた翌日から、受講者の実際の業務がどう変わるか」を具体的に説明できるかどうかが、一つの目安になると考えられます。説明できない、または「教養として」「将来役立つかもしれないから」という理由にとどまる場合は、職務に間接的と判断されるリスクが高まります。
3「職業人として共通」とは何か?具体例で理解する
「職業人として共通」とは、特定の職務・業種を問わず、社会人一般に求められる汎用的な内容を指すと考えられます。これはDX・GX訓練に限らず、もともと人材開発支援助成金全体で「職務に関連した」訓練が求められてきた考え方の延長線上にあります。
・ビジネスマナー・報連相など、業種・職種を問わない基礎研修
・Officeソフトの一般的な操作方法(職務との紐づけがない場合)
・「社会人として知っておくべきセキュリティ意識」のような一般教養型の内容
・自社の顧客対応フローに即した、生成AIを使った問い合わせ対応の効率化研修
・自社の受発注・在庫管理システムに特化したデータ活用研修
・自社のセキュリティポリシーに基づく、実際の業務データの取り扱い研修
同じ「生成AI研修」というタイトルでも、一般論の解説にとどまるか、自社の具体的な業務・システム・データに即した内容かで扱いが変わり得ます。カリキュラムを選ぶ際は、内容の具体性を意識してください。
4計画書はどうアップデートすべきか
改正前後で、計画書に記載すべき内容の重心が変わります。
| 記載項目 | 改正前の書き方(例) | 改正後に推奨される書き方(例) |
|---|---|---|
| 訓練の目的 | 「DX化推進のため、生成AIの活用スキルを習得させる」 | 「〇〇業務(受発注・顧客対応等)において生成AIを活用し、△△の作業時間を削減するため」 |
| 対象者の選定理由 | 「全社員のITリテラシー向上のため」 | 「〇〇業務を担当する△名について、当該業務での活用を目的として選定」 |
| 訓練内容と業務の関連性 | 比較的簡潔な記載でも通っていた | 受講者の担当業務・使用システム・具体的な活用場面まで踏み込んで記載 |
実務のポイント:計画書には「誰が」「どの業務で」「具体的に何ができるようになるか」をセットで記載することを意識してください。抽象的な目的だけの記載は、改正後は審査で説明を求められる可能性が高まると考えられます。
5対象にならない訓練の具体例まとめ
改正後、対象外になりやすいと考えられる訓練の傾向:
❌ 特定の業務と紐づかない、一般的なITリテラシー・DXの概論研修
❌ 「教養として」「将来役立つから」という理由にとどまる訓練
❌ 受講者本人が使わない予定のツール・システムに関する研修
❌ ビジネスマナー・報連相など業種・職種を問わない汎用スキル研修
❌ 業務命令ではなく、受講者の自発的な興味に基づく受講
❌ 訓練内容と担当業務の関連性が計画書上で説明できないもの
これらは「事業展開等リスキリング支援コースの申請要件を完全解説」で紹介している従来からの対象外パターンに、改正後の「職務直結型」の考え方が加わったものと整理できます。
6業種別ケーススタディ|Bizle講座で見る職務直結型の設計例
ここでは、Bizleの講座カテゴリーを例に、業種別に「職務直結型」をどう設計するかのケーススタディをまとめます。
△ 職務に間接的になりやすい設計:「DXとは何か」「業界のデジタル化トレンド」といった一般解説のみの研修
◎ 職務直結型の設計:デリバリー参入・セルフオーダー導入を予定している店舗のスタッフを対象に、実店舗運営【基礎〜応用】(MEO・Googleビジネスプロフィール完全習得、売上の因数分解と施策優先順位など)から、自店で実際に使う集客・オペレーション改善の内容に絞って受講させる設計。
△ 職務に間接的になりやすい設計:SNSマーケティング全般を幅広く学ばせるだけの研修
◎ 職務直結型の設計:自社サロンが実際に運用しているInstagram・MEOアカウントの担当者に対し、マーケティング【初級編】のMEO対策・Googleビジネスプロフィール活用・Webライティングを、自社アカウントの改善という具体的な目的に紐づけて受講させる設計。
△ 職務に間接的になりやすい設計:ECモール全般の仕組みを解説する概論のみの研修
◎ 職務直結型の設計:自社商品のEC販売を新規に立ち上げる担当者に対し、EC【基礎〜応用】(ECサイト運営業務全体像、売上の因数分解)とEC【広告実践】(リスティング広告基礎から実践)を、実際に立ち上げるECサイト・広告運用に即して受講させる設計。
△ 職務に間接的になりやすい設計:生成AIの一般的な仕組み・活用事例を紹介するだけの研修
◎ 職務直結型の設計:受発注・在庫管理を担当する社員に対し、生成AI【基礎〜応用】(AIエージェントとは、文字起こしAI活用法等)から、自社の受発注フロー・帳票処理を効率化する内容に絞って受講させる設計。
△ 職務に間接的になりやすい設計:プログラミング言語全般の入門講座を、担当業務と関係なく受講させる研修
◎ 職務直結型の設計:自社の業務システムのデータ連携を担当する社員に対し、プログラミング【基礎編】(API活用とビジネス自動化、Googleスプシとデータベース基礎等)から、実際に扱っているシステム・データに即した内容を選んで受講させる設計。
いずれのケースも共通するのは、「講座カテゴリーを丸ごと受けさせる」のではなく、受講者の実際の担当業務・使用システムに即した講座を選んで組み合わせるという考え方です。Bizleは全1,078講座(順次拡大中)から自由にカリキュラムを組めるため、この「職務直結型」の設計と相性が良い構造になっています。
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7まとめ|計画書作成前のチェックリスト
計画書を作成する前に、以下をチェックしてください。
☑ 訓練内容は、受講者本人の担当業務と具体的に結びついているか
☑ 「教養として」「将来役立つから」という理由にとどまっていないか
☑ 受講後、受講者の業務がどう変わるかを具体的に説明できるか
☑ 使用するツール・システムは、受講者が実際に業務で使うものか
☑ 計画書に「誰が」「どの業務で」「何ができるようになるか」を明記したか
「職務直結型」の詳細な運用基準は、本記事執筆時点(2026年8月)ではまだ厚生労働省から詳細なQ&Aが出揃っていません。個別の訓練が該当するかどうかは、計画届提出前に管轄の労働局または社労士に確認することを強く推奨します。
「職務直結型」の要件を満たす訓練計画を組む際は、年間の申請回数ルールもあわせて確認しておくと安心です。定額制サービスがなぜ年3回の申請を維持できるのかは「8月改正で明確化|定額制eラーニングが年3回申請を維持できる理由」で解説しています。
「職務直結型」に沿ったカリキュラム設計も、
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Bizleへのお問い合わせはこちら →本記事の情報は2026年8月時点のものです。業種別ケーススタディはBizle編集部の考え方の整理であり、個別の訓練が助成対象になることを保証するものではありません。申請前に必ず厚生労働省の最新版パンフレットおよび管轄の労働局・社労士でご確認ください。